北摂で柴犬くんと暮らす日々

暮らしの中で気づいたことを書き綴る日記です。

ペットロスに備えて

犬を飼うと決めた人はみな、「その日」がやってくることを、心の隅に留め置かなければなりません。犬の平均寿命は、15歳くらいなので、通常は飼い主が看取ることになります。

その日が怖いなぁと怯えているのですが、あと10年くらい先のことなので、余裕のある今のうちこそ考えておきたいと、伊藤秀倫さんの「ペットロス いつか来る「その日」のために」という本を手に取りました。

ペットロスの一番しんどいところは、人間が亡くなった時、もしくはそれ以上に堪えるのに、他の人から「動物が死んだくらいで」と捉えられることのようです。

自分もペットを飼ったことがないときは、「それぐらいで」とまでは思いませんでしたが、その悲しみを理解できてなかったと思います。今なら「ペットは家族」と思っていますが、あの頃はそう聞いてもピンときませんでした。

ペットロスに対してできることはほとんどなくて、自分でも手に負えない悲しみが襲ってきてどうしようもなくなるけれども、それだけ愛情をかけていたのだから、そうなるのも当然だということを知っておくことが重要のようです。

また、自分の悲しくてしょうがない気持ちを他の人に聞いてもらうことも大事のようです。かつて、テキパキと仕事をこなしていた会社の先輩が、ペットが亡くなってから、憔悴しきっているのを目にすることがありました。自分は話を聞くぐらいしかできなくて、しかも今思うと全然わからず聞いていたのだけれど、それはそれで正解だったんだなと思いました。

今普通にあること、例えば、足元の気配、ふわっふわの撫で心地、撫でると潤んでくる瞳、何とも言えない匂い、くぅんくぅんと甘える声、その全てがとても貴重なものなんだと気づかされました。

さて、今朝、駅の前を散歩させていると、遠くから柴犬くんを呼ぶ声が。。。柴犬くんが足を止めて、じっと見ると、駅のホームに、最近2匹のわんちゃんを立て続けに看取られたご夫婦が、電車を待っていらっしゃいました。柴犬くんは突進していきますが、もちろん改札には入れません。

きっと、あのご夫婦は電車に乗ってから亡くなった子たちのことを思い出すんだろうなぁと思いつつも、柴犬くんを大声で呼んでくれた奥様の明るい笑顔が心に残りました。