ニホンオオカミのはく製
「犬の祖先はオオカミ」というのを考えると、いつも不思議な気がします。ヒトを襲うこともある、狂暴そうな狼が、人間の手によって、チワワやダックスフントに進化するなんて、まるで魔法のようです。
しかし、柴犬くんに関していえば、結構、狼の片鱗を、垣間見ることがあります。例えば、救急車の音を聞いて、「わお~ん」と遠吠えをしたり、骨付き肉をむしゃぶりつき、恐ろしい速さで骨をかみ砕いたりするときです。「そうやんな、キミの先祖はオオカミやもんな」と納得してしまいます。飼い主でさえ、牙をむかれると、怯んでしまいます。
ところが、今日、ニュースで、「ニホンオオカミかもしれない」はく製を見て、ビックリしました。
ニホンオオカミ、めっちゃ、かわいい!
中学1年生の子が、「国立科学博物館収蔵のヤマイヌの一種とされていたはく製が、実はニホンオオカミではないか」とする論文を発表したというニュースです。小学4年生のときにピピッときて、それから専門家とともに研究して、論文にまとめたそうです。
もちろん、小学校4年の子どもが、こういうことに気づいたのもすごいですが、その気づきを大事にして論文に仕上げるまで育んだ環境もすごいなと思います。さすが、つくば、文化レベル高いです。素晴らしい教育ですね。
そして、国立科学博物館所蔵ということは、研究者が保管していたわけですが、それでも、まだ誰も気づいていないことがあったなんて、ロマンがあります。まだまだ研究の余地があるなんて、子どもたちに希望を託す話です。
で、話をもとに戻して、柴犬くんの先祖は、どんな狼だろうと思っていましたが、このニホンオオカミだとすると、あんまり進化していないというか、結構原型とどめてるなと思いました。日本固有の馬は小さいと聞いたことがありますが、狼も小ぶりなんですね。ヨーロッパやアメリカの狼とはずいぶん違う印象です。